環境

時々、自分の今いる環境に文句を言う人たちがいる。
いや、僕も昔はそうだった、隣の芝生は青いだかって言葉があるように、自分の学校よりも他校の人の方がいい練習環境にいて、指導者に恵まれて、仲間に恵まれているように見えた。
指導者もなく、投擲仲間のいない、勉強で生きる道を選んだ僕と、スポーツ推薦で進学した人たちとの差はみるみる離れていき、負けた言い訳を環境のせいにして、部活内でもめて高二の春に部活をやめた。
そんな僕だから、大学で再開したときは、かなり卑屈になっていた…全学に負けても仕方がない、こっちにはブランクがあり、環境も違うんだ、って。

そんな僕の意識を変えたのが、全学相手に闘いを挑む先輩方だった。
棒高の練習設備が整っていない中、工夫して練習の内容を考えたり、技術練習のためにビデオ買ったり、ポールも買った。棒高の試合や記録会があったら他県でも遠征し、記録会は技術練習の場だからと笑いながら言っていた。
100の先輩は、同じレベルの練習相手がいない中、練習だけでなく日々の生活まで管理していた。図書館で毎回見るたびに、陸上の動画を見ていた。

先輩方は、与えられた環境に不満を言うことなく、その環境の中で何が出来るかを模索し、考え、行動していた。
練習環境が整ってない…なんて愚痴ってた僕も、先輩方の熱意にあてられて、気が付いたらバカみたいにこの環境下で足掻いてた。
それでも、やっぱり様々な障害があって、苦労はした。

続く